Q,インターンシップを安全に実施するためにはどうすればいいか?
A,インターンシップの学生を従業員とみなし、最低賃金以上の給与を支払うのであれば問題なし。そうでない場合は傷害保険の加入を検討すること。
学生が卒業前に企業にて「就業体験」をするのがインターンシップです。企業側のメリットは、就職後のミスマッチを防ぐこと、学生側のメリットは、就職希望先へのアピールができることとお互いにメリットがあります。
しかし、このインターンシップにも労務リスクがあります。それは、インターンシップで受け入れる学生の身分がグレーな点です。
これは、インターンシップの学生はあなたの会社の従業員(労働者)なのか?という点です。
ここでのポイントはズバリ、給与の支払いがあるかどうか?です。
大学の単位取得の対象となる等、科目のカリキュラムに組み込まれ、あくまでも教育の一環として実施され、一切給与の支払いがなければ従業員(労働者)とはいえません。
これは教育学部が小学校などで教育実習を行うのと同じ扱いですね。働いてはいますが、給与はでません。
インターンシップで給料を出すか出さないかはどちらでも構いません。ただし、無給とする場合には、従業員ではありませんので、実習中に何かの事故が発生しても、労災保険が使えないことになります。
当然慣れないことをやってもらうことになりますので、事故のリスクはつきまとうはずです。万が一、会社内で事故が発生し会社側に過失があった場合には民法上の損害賠償責任が生じてしまう可能性もあります。
そのため、給与の有無はどちらでも構わないものの、出さないのであれば労災以外の保険(民間の傷害保険など)を準備する必要がある、ということです。
加えて、労災のことも考えて、労働者として扱おう!!という結論になった場合、ひとつ注意点があります。
それは、学生を従業員として扱う場合には最低賃金を守る必要がでてくる、ということです。
最低賃金未満の中途半端な金額で支給しては取扱が余計にグレーになります。曖昧な金額を支給するなら、いっそ無給にし、そのコストを万が一の際の傷害保険の保険料に充当した方がスッキリします。
インターンシップという制度自体は非常に意義のあるものですので、学校側としっかり責任の所在を明確にしたうえで制度をご活用ください。