Q,健康保険に加入せず厚生年金保険にだけ加入できるか?

 

A,原則としては不可。ただし、例外として個人開業医からの医療法人化などのケースで適用除外承認申請ができる場合があります。

 

現在日本の公的保険は「医療」に関する保険と「年金」に関する保険が2つの柱になっています。 

この2つの保険がさらにざっくりというと次のようにまた分かれます。(公務員は取り扱いが違うので除外)

 

■医療の保険・・・国民健康保険と健康保険

■年金の保険・・・国民年金と厚生年金保険

 

法人であれば社会保険に加入する義務がありますが、この場合の社会保険とは上記の健康保険+厚生年金保険のセットをいいます。

ここで、どちらか片方の保険だけ選択加入できる?という質問をよく受けますが、結論として原則は不可です。あくまでも社会保険はセットになります。

 

ただし、例外として、「国民健康保険+厚生年金保険」の特殊なセットが可能になる場合があります。

それが、個人事業主の法人成りのケースです。

 

個人経営の診療所や歯科医院等では健康保険は所属団体での国保組合に加入しているケースが多くあります。

このような個人事業所が個人から医療法人化した場合または常時5人以上の従業員を雇用するようになった場合は、社会保険(健康保険および厚生年金)の強制適用事業所に該当するため社会保険に加入する必要がでてきます。

 この時に、管轄の国保組合・年金事務所に所定の手続き(健康保険適用除外承認申請と呼ばれる手続きです)を行ない、健康保険の適用除外承認を受けることにより各国保組合の被保険者となることができ社会保険としては厚生年金保険にのみ加入することが可能となります。

 

このメリットは何と言っても、保険料です!

通常の健康保険は給料の金額によって保険料が比例して増加します。(さらに年々この保険料率があがっています)

これに比べ、国保組合の場合は保険料が一定額(しかもかなり格安)になる場合があります。

※場合がある・・・、とは組合ごとに保険料の算出方法が違いますのでくれぐれも確認してくださいね。ということです。

 

しかし、上記はあくまでも例外規定です。

さらに、申請すれば全て100%承認されるかといえばそうでもありません。

ですので、申請する際には事前に各行政の担当レベルにまで話しをしておき、確認しておくべきです。

 

個人事業の法人成りは節税面などでメリットが生まれるタイミングもありますが、逆に社会保険料という名の法定福利費が発生してしまいます。

 

当事務所でも、個人事業の方から社会保険に入った場合の社会保険料コストシュミレーションの依頼をしばしば受けます。

加入検討の際には、しっかりと収益・キャッシュフローを考える必要がありますのでご注意ください。

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